ハンドル材の特徴と音質 〈 Wooden material 〉

Wooden material

HIBIKI チューニングレバー用 ハンドル材の特徴と音質            update 2010/08

 
木材名(商品名) / 学名  
ソノケリン
Dalbergia latifolia
ソノケリンはインディアンローズウッドをインドネシアで植林し栽培したもの。肌目はやや粗く、淡紫褐~濃紫褐~濃紫色の木目はインドローズよりも粗いが均等。癖がなくオーソドックスな音色でリファレンスにしていた。
モラード
Machaerium schleroxylon
ボリビア産ジャケツイバラ科。独特の木目を持ち、肌理細かいので手触りがたいへんに良い。指板やブリッジ等、ギター材として用途は広い。ボリビアン ローズウッドやパーフェローとも呼ばれる。中庸な音色。
カリン・コブ
Pterocarpus indicus
東南アジア一帯に産するマメ科の高級木材カリンの根の近くにできる美しい玉杢、葡萄杢などが現れる部材。レアで高価。カリン材本体よりかなり軽軟で樹脂分、油脂分は少ない。ややブリリアントで乾いた音色。
ブラック ウォールナット・バール
Juglans nigra
マホガニーと並ぶ西洋家具材の代表で独特の美しい紫色を帯びた薄褐色~濃褐色が特徴。北米産でクルミ科。バール材は根に近い部材で美しい杢が不規則に入る。肌目は粗く、本体よりやや重硬。ウェットでメロウな音色。
ホンジュラス マホガニー
Swietenia macrophylla
乱伐で絶滅した高級家具材の代名詞キューバンマホガニーの代替材として現在入手できる最上のマホガニー。アコースティックギター材としてなくてはならない。淡赤褐色でセンダン科。木理が交錯してリボン杢が美しいのと、軽軟なためクリア塗装がお勧め。線は細いが透明で色彩感があり、ノイズが出ない。
サペリ・縮緬目
Entandrophragma cylindricum
サペリはマホガニー類の代用品で、西アフリカの熱帯降雨林一帯に生育するセンダン科の暗紅褐色材。木肌はマホガニーに近いがより重硬。繊細な縮緬目材は導管がはっきりしていて滑りにくい。柔らかでやや乾いた音色。
シャム柿
Cordia dodecandra
黒柿に似た水墨画のような独特の美しい濃淡の縞模様が出るが、カキノキ科ではなくムラサキ科。重硬で樹脂分は少ない。シャム柿の名がつくがメキシコ産でジリコテとも呼ばれる。アタックがはっきりした音色。
リオグランデ
Cordia elaeagnoides
導管が太く肌理は粗いが黄土色と濃緑色のコントラストが明確な縞が美しい。油脂分が多く、緻密で重く、ボコーテ・南米桑とも呼ばれる。メキシコ産、みかんの仲間でムラサキ科。ブリリアントでパワーのある音色。
黄楊〈ツゲ 御蔵島産〉
Buxusmicrophylla var. japonica
国内産木材で最も緻密で硬く、耐久・保存性が高い。磨けば象牙様の光沢が出る。鹿児島県産薩摩黄楊と並び東京都御蔵島産の島黄楊が最高級品とされる。ツゲ科。黄楊は成長が遅く、産出される原木は直径が約10㎝~20㎝と小さい木で ある。将棋の駒、櫛、管楽器、印鑑などに使われる。高次倍音がたいへん豊かで、しっとりとして品位のある美音。
パオロッサ
Swartizia madagasearensis
タンザニア、モザンビーク産でソラマメ亜科。赤色、橙色、紫色など多くの色が混在して複雑な縞を形成する。肌目はやや粗く、細かいリップルマーク(さざ波模様)をもつ。明るく、温かく、柔らかで伸びるバランスの良い材。
カーリー・ハード メイプル
Acer saccharum
カエデ科、カナダ・アメリカ北東部産。言わずと知れたN,Yスタインウェイの主用材。灰色がかった黄褐色で硬めのメイプルにカーリー杢(虎杢)が出ているレア材のみ使用。ノーブルで、太く、パワーがあってよく伸びる音色。「特級」は強烈な虎杢が美しく映える限定品。
カーリー・ソフト メイプル
Acer rubrum
カエデ科、アメリカ東部・西海岸地域・カナダ産。ハード・メイプルよりやや軽く、軟らかい。シカモアも含めメイプル系全てにいえるのは音のエネルギーが頭ではなく比較的後ろにあるという特徴がある。ローズウッド系に比べると音の輪郭は不明瞭で、またノイズや嫌な音が一切出ないので整音にも大きく影響する。白木なので汚れやすいのが難点。
ボスニアン メイプル
〈ファーストグレード & AAAグレード〉
Acer opalus ssp.obtusatum
クレモナのヴァイオリンの裏板、側板材として知られる。旧ユーゴスラビア産で北米のものより緻密だが軽軟。ファーストグレードはヴァイオリン材料商より原木を直輸入。AAAグレードはヴァイオリン裏板用虎杢材の最高級品。どちらも太くパワーがあってよく伸び、透明で繊細、スピード感もあり、わずかに明るい音色。
ホワイトシカモア
Acer pseudoplatanus
カエデ科、ヨーロッパ中部及び西アジア産。ソフト・メイプルに似ているが肌理が細かい。ヴァイオリンやギターにも使われる、カーリー杢(虎杢)のみ使用。ボスニアンよりやや明るい音色で気品もある。
本紫壇
Dalbergia cochinchinensis
アジアのローズウッドとして名高いが原木は枯渇してきている。磨けば暗紫紅色の独特で美しい波状紋の木目が現れ、重厚な光沢が出る。マメ科で、緻密で硬い。タイ産が最高でラオス、カンボジア、ベトナム産がそれに次ぐ とされる。明るい音色で、とにかく品がないほどのパワー感。
インディアン・ロ ーズウッド
Dalbergia latifolia
切り口から薔薇のような香りがする事からローズウッドと呼ばれる。世界中にその地方でローズウッドと呼ばれる木がそれぞれあり、同木異名も含めて名称が35種あるといわれる。マメ科でインド産だが原木、板材の輸出禁止の様子。太く、パワーがあってよく伸び、しかも柔らかい音色。初めの1本目として誰にでもお勧めできる。
インディアン・ローズウッド・バール
Dalbergia latifolia
インドローズの根幹部で、様々な杢に濃紫色~茶褐色~黒褐色が複雑に交錯する。インドローズの本体よりは軽く、市場ではまず見かけることがない超レア材のデッドストックを製材。やや明るく、透明感があって瑞々しい音色。
ココボロ
Dalbergia rutusa
中南米のローズウッドとして知られる木で、濃紅色主体に~黄褐色~黒褐色の様々な縞が美しい。マメ科でナイフの柄などに用いる。油脂分が多く、非常に重く緻密で硬い。ブリリアントでクール、透明感のある上品な音色。
ブラジリアン・キングウッド
Dalbergia cearensis
ブラジル産のローズウッドの一種でマメ科。赤紫色の縞の著しい濃淡が美しい。原木は細いので黄楊同様、欠点の少ない良材の入手が難しい。音に独特の輪郭があり、明るく、太く、パワーがあってよく伸びる、ひじょうに魅力的な音色。
ブラジリアン・チューリップウッド
Dalbergia frutescens
キングウッドとは近種だが淡黄白色の地に桃色、赤、紫褐色の独特の美しい縞を持つ。この木を加工すると作業場中が素晴らしい薔薇の芳香で満たされる。音はキングウッドに近いが、わずかに淑やかな音質。なお北米東部産のチューリップウッド(イエローポプラ)とは名前が同じだがまったく別の種類である。
アフリカン・ブラックウッド
Dalbergia melanoxylon
一見、黒檀と間違えられるがローズ類同様マメ科。遠目には黒に見えるが濃暗茶色と黒の細かい木目がある。タンザニア、モザンビーク産。極めて重硬で導管が少なく、脂質成分、樹脂成分が共に多いため、美しい光沢が得られる。管楽器、ギターにも使われる。たいへん明るく、パワフルだが音色には艶もある。
フェルナンブーコ
Caesalpinia echinata
ヴァイオリンの弓材の最高級品として知られる。名はブラジル東北部の大西洋岸の州名。赤い染料の材料となる蘇芳(すおう)の一種でマメ科。眩いオレンジ色が美しい。微細な繊維が長さ方向と太さ方向にいずれも 絡み合っていて弾性に優れている。たいへん明確な音色で聴き易く、合わせ易い。
ハワイアン・コア
Acacia koa
古くからウクレレやハワイアンギターのボディに使用されてきたが現在では自然保護で伐採量に制限があり希少になってきている。マメ科アカシア属ハワイ諸島産。軽いわりに材質が硬く、淡黄色~金褐色~暗褐色と色も模様も変化に富んでいる。やや明るく、太く、パワーもある音色。しっかりしたフォルテが出せる。